Case Study4

Case Study4

教育サービス
「株式会社日立ソリューションズ様」

リーディングカンパニーと共に作り上げたMicrosoft Power Platform 教育プログラム
~「置いて行かれない」教育プログラムの構築に成功~

ICC 教育プログラム

導入事例 第 1 弾

The first

〔採用された教育プログラム〕
Microsoft Power Platform(Microsoft Dynamics365)エンジニア育成のための教育プログラム
・開催日程 2022 年 6 月 21 日~6 月 24 日
・受講者 株式会社日立ソリューションズ エンジニア・営業社員 計 50~60 名

取材にご協力いただいた日立ソリューションズご担当者の皆様

日立グループのデジタルビジネスの中核を担うIT ソリューション企業である株式会社日立ソリューションズ。同社ではMicrosoft Power Platform のエンジニアを今後も更に増やしていく必要があるが、トレーナーも個々のエンジニアもプロジェクト対応のためまとまった技術者教育の時間を作り出すことが難しい状況だった。そこで参加しやすく、かつ手応えのある教育プログラムを株式会社インテリジェントクラウドコンサルティング(以下ICC)と共に構築していく方法を選択。さまざまなアイデアが活かされ「置いて行かれない教育プログラム」を生み出す成功事例となった。

グローバル本部 グローバル推進センタ
センタ⾧ 江角忠士氏

ICC 教育プログラム採用前の課題

エンジニアが受講しやすく、かつ実践的な教育プログラムを求めて
 日本を代表するソリューションプロバイダーである株式会社日立ソリューションズ。さまざまな業種の案件に対応しており、お客様に寄り添ったソリューションの提供で社会や企業を基盤から支えている。
 社内には多くのエンジニアが在籍しているが、日中は各々のプロジェクトに従事しており、まとまった教育研修の時間を取ることは容易ではない。一方でMicrosoft Power Platform に⾧けた人材は増やしていきたい。そんな中で同社が日本マイクロソフト株式会社から紹介されたのがICC だった。
 日頃、外部のパートナー企業と共に開発を行っている同社では、外部企業に教育研修を依頼するにあたり、心配な点があったとグローバル本部センタ⾧の江角忠士氏は振り返る。

「当社でもMicrosoft Dynamics 365 のトレーニングをお客様に実施しており、もし外部企業の教育研修の質が低い内容ならば外部にわざわざ頼む必要はないと考えていました」

 そのような経緯もあり、日立ソリューションズでは自社のニーズに合致する教育プログラムを、ICC と共に作り上げていく方針とした。

グローバル本部 グローバル推進センタ
第1グループ ユニットリーダー 松野貴史氏

教育プログラムの構築

受講しやすい時間帯で小分けに開催することで、高い参加率に
 日立ソリューションズとICC の担当者が約3 カ月をかけてMicrosoft Power Platform 教育プログラムを構築した。グローバル本部主任 松野貴史氏は“最新の情報”という部分に留意したという。

「Microsoft Power Apps はアプリ開発手法として、モデル駆動型アプリと呼ばれる業務プロセスやデータを定義していく手法とキャンバスアプリと呼ばれる直感的なインターフェースで要素を配置していく手法に分かれるのですが、単純にキャンバスアプリの情報を求めている人が多く、この2 種のアプリの違いがしっかり理解できるプログラムをお願いしました。またモデル駆動型アプリでは従来の開発画面に加えて新しい開発画面も説明してもらえるよう、最新の情報という部分にはこだわりました」

 多忙なエンジニアが参加しやすいスケジュールや時間への工夫も重ねていった。

「受講者の当日キャンセルは講師の方にも申し訳ないので、できるだけ避けたかったんです。そこでプロジェクトに影響の少ない夕方以降の時間帯に、小分けしたスケジュールで開催してもらえるよう設定しました。その結果、参加率は予想以上に高くなりました」(江角氏)

「構築時の打ち合わせ段階では20~30 名を見込んでいましたが、実際の応募は60~70 名で、受講したのは50~60 名。ちょうど新しいプロジェクトが始まる前で、エンジニアたちの学びたいという気持ちが高まっていたタイミングと合っていたのかもしれません」(松野氏)

デジタルイノベーション営業本部
Modernization 営業部 部⾧ 池田健太郎氏

動画やチャットを駆使した「置いて行かれない教育プログラム」
 江角氏は「今回はハンズオントレーニングということで、事前に準備した実際の操作画面を録画した動画データを多く活用することで、復習や再確認にもこの録画動画データが役立ちました。講師が操作を進めると、その前の操作に戻れないこともあり、受講者の知識が部分的に抜け落ちてしまうことがあります。しかし動画があることで、置いて行かれてもまた追い付けます。置いて行かれない教育プログラムは受講者から喜ばれました」と語る。
 この『置いて行かれない教育プログラム』には他にもさまざまな仕掛けを施している。その一つが同社の提案によるチャットを利用した受講者サポートだ。ICC の講師1 名+2 名の日立ソリューションズ社員によるチャットサポートによって、受講者は3 名からサポートを受けられ、取り残される不安を軽減して前に進める。実際に今回のプログラムでは、チャットから寄せられた質問は21 件あったが、そのすべてを3 名のサポートによって解決できている。日立ソリューションズとICC による連携プレイだったとも言えるだろう。このような“対話型”の工夫は他にもある。

「ICC の講師がMicrosoft Teams のリアクションボタンを活用して、受講者の理解度を確かめつつプログラムを進めてくれました。プログラムの中で採用された想定ケースのシナリオもとてもわかりやすかったです」とデジタルイノベーション営業本部 部⾧の池田健太郎氏は振り返る。

 また、池田氏は「今回の教育プログラムには営業社員も約10 名が参加したのですが、お客様都合で急遽、本教育プログラムに参加できないケースが想定されました。そこでトレーニング全体を録画することによって、後日しばらく閲覧できるようにしてもらったんです。これは非常に好評でしたね」と加えた。

ICC 教育プログラム受講のメリット

営業社員がエンジニアと共に、外部の教育プログラムを受ける意味
 今回のような教育プログラムは、主にエンジニアが受講するケースが多い。しかし同社では約10 名の営業社員がエンジニアとまったく同じ内容のプログラムを受講した。その理由を池田氏は次のように語る。

「我々ソリューション営業部門の担当者は製品に特化した営業提案を行います。そのため製品知識に⾧けている必要があり、今回のICC 教育プログラムには積極的に参加するようメンバーに勧めました。お客様から案件のご相談を受けた際、タイムリーに提案できないと商機を逃してしまいます。もし営業社員が高い製品知識を持っていれば、エンジニア不在でも必要な製品情報を整理し、お客様に対して製品を紹介することが可能となります」

 これについてはエンジニア側も同じ希望を持っていると江角氏は語る。

「製品知識を持つ営業社員がある程度まで説明してくれることはエンジニア側から見ても大助かりです。じつはエンジニアが営業社員向けに社内勉強会を開催することは過去にもありました。ただしその内容を営業社員向けにアレンジしていることがほとんど。今回ICC によるエンジニア向けの教育プログラムを、営業社員も一緒に受けたという点には意味があると考えています。営業だからこの辺で十分だろうと考えがちな社内勉強会では得られない効果があったと期待しています」(江角氏)

「お客様先でMicrosoft Power Platform のエンジニア不在の製品説明や提案時に、営業担当者がお客様からの質問に対して、『私が知る限りの製品仕様はこうです』と、今回の教育プログラムを活かし、お客様からの信頼を得られる返答につなげられるのではないかと期待しています」(池田氏)

理解が自信につながり、次のフェーズへとステップアップ。受講者に表れた変化
ICC の教育プログラムを受講したエンジニアや営業社員には、次のような変化が表れているという。

「今回のプログラムでMicrosoft Power Platform の基礎を固めることができ、技術・知識における次のステージに上がることができたのではないでしょうか。基礎がわかったことで応用的な質問内容が増えた印象です」(江角氏・松野氏)

「営業担当者についてはこれから結果が出てくる部分が多いかもしれません。しかし少なからず自信にはつながったと思います。Microsoft Power Platform に実際に触れたことで、エンジニアと同等のプログラムを学んだわけですから」(池田氏)

ローコード・プラットフォームの裾野を広げていく
 今回のICC 教育プログラムで、受講者がMicrosoft Power Platform の基礎を固めることに成功した同社では、本教育プログラムを振り返る中で、講師の質の高さも高評価の対象になった。とりわけ講師の経験を基にした「Microsoft Power Platform でできること、できないこと」を具体的に示した点が受講者から評価が高かったという。
 日立ソリューションズはお客様に寄り添ったシステム開発を行うという方針を今後も貫いていくが、そのためにはエンジニアがコンサルタントとして課題解決していくスキルも必要になってきている。Microsoft Power Platform はその期待に応えられるビジネスプラットフォームであるとも語る。

「私たちがリーディングカンパニーとして、Microsoft Power Platform を一層普及させていきたいですね。お客様がローコード・プラットフォームを活用し、現場でDX を推進できるようになると、社会や企業のサステナビリティが高まります。そこに貢献していくことが私たちのミッションの一つ。その実現のためにも、今後も価値のあるトレーニングを継続し、エンジニアを育成していきたいと考えています」(江角氏・松野氏・池田氏)